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さて。着物を着る際に欠かせないアイテムのひとつとして、足袋(たび)があります。洋服であれば、靴下やストッキングと同じような役割です。
白色が基本ですが、最近ではさまざまな柄や素材を使った、かわいいものもたくさんありますので、足袋の形状や選ぶ際のポイント、履き方からお出かけ時に気をつけたいことなどについてご紹介します。
足袋の形状:コハゼについて
足袋は、足首の後ろ側にある金具を糸に引っ掛けて留めるのですが、この金具のことを「こはぜ」と呼びます。また、受け側にある糸のことを「掛け糸」と呼びます。
着物に合わせる一般的な足袋の場合、コハゼの枚数は、4枚もしくは5枚です。この枚数の差は、そのまま足袋の足首部分の長さの違いになります。選ぶ基準には諸説ありますが、以下を参考にしてください。
<4枚コハゼ>
- メリット:足首を固定される部分が短いので、足を動かしやすい
- デメリット:階段を上る際など、足首の素肌部分が見えやすい
- 地域性:関東では一般的(素肌が少しだけ見せることが粋)
- シチュエーション:日常向き
<5枚コハゼ>
- メリット:極力肌の露出を抑えられる
- デメリット:足首部分が窮屈に感じられる場合も
- 地域性:関西では一般的(素肌が見えない方が奥ゆかしい)
- シチュエーション:礼装向き
個人的には、地域性による感覚の違いが面白いのですが、私は関西人ゆえなのか、この謂れを知る前から足首部分は長めが好みで、持っている足袋はすべて5枚コハゼです。
昨今では、特にルールに捉われる必要はありませんが、習い事などの場合は師事される先生に確認をされることをおすすめします。
基本的にはどちらでもよく、コハゼの枚数よりもご自身の足にあっているかどうかの方が重要ですので、お好みで選んでください。
足袋の素材について
綿素材が一般的ですが、昨今はさまざまな素材の足袋があります。
- 綿:織り方の違いで、キャラコ、ブロード、朱子(しゅす)などがあり、フォーマルな場やお茶席などではキャラコの白足袋を履くのが一般的とされています。
- ナイロン・ポリエステル:シワになりにくく、洗濯で汚れが落ちやすいところがポイントです。さらに伸縮性のあるストレッチ素材の足袋は、履きやすく使い勝手がよいです。
- 麻:吸湿性・放湿性に優れ通気性もよいため、夏向きの素材です。
- 別珍(ベルベット):起毛した柔らかな風合で暖かく、冬向きの素材です。
- レース:浴衣やカジュアルな着こなしの夏着物などにおすすめです。
<レース足袋の履き比べ>
・画像左:KIMONO MODERNさんのレース足袋
一番透け感があるタイプです。底のクッション部分は、3つの中で一番しっかりしています。私には、ちょっと足首周りがゆったりしすぎな印象です。
・画像中:ふりふさんのレース足袋
程よい透け感と、やわらかい素材で履き心地もよく、履き口のゴムも伸びやすいので履きやすいです。
・画像右:ハイムラヤさんのレース足袋
3つの中で、一番透け感のないタイプです。履き口が伸びにくいので、履くときに少し窮屈に感じます。
個人的には、履きやすさと履き心地でふりふさんのレース足袋が一番お気に入りなので、夏に向けて買い足す予定です。
足袋のサイズについて
いちばん重要なのが、サイズ選びです。小さすぎると足を痛めかねないですし、大きすぎて布が余った状態ですと、見栄えがよくありません。
やはり、ぴったりフィットした状態ですと、スッキリきれいな足元に見えます。
また足袋は、素足に履くものなので、サイズ選びの際には普段履かれている靴より、0.5cmほど小さめを目安にされるとよいでしょう。
甲の幅や高さ、足首周りもフィット感に影響します。S・M・Lなどのサイズ差だけではなく、足袋によっては、細型・ふっくら型などバリエーションが豊富なタイプもありますので、ご自身の足の形状に合わせて選んでみてください。
足袋の履き方・履くタイミング
基本的には、着物を着る際の一番はじめに足袋を履きます。
しゃがんだ状態で履くので、着物や帯をまとう前の方が体も楽ですし、スムーズです。肌着の後でも構いませんが、袖がじゃまになるので長襦袢を着る前には履いておいたほうがよいでしょう。
- 足袋を履く手順1:準備
まず、こはぜを全部はずした状態で、足袋を半分くらいのところまで折り返して足を入れやすい状態にしておきます。
- 足袋を履く手順2:つま先を入れる
折り返した布地の両サイドを持って、親指とそれ以外の指で分かれるようにつま先を入れます。このとき、しっかり足袋の先まで指を入れるようにしましょう。
- 足袋を履く手順3:かかとを入れる
指先が入ったら折り返した布を戻していき、そのままかかとをしっかりと入れます。このとき、足と足袋のかかとの位置がぴったり合っている状態が理想です。
- 足袋を履く手順4:こはぜを留める
ゆっくり足首部分を覆うように布を引き上げ、コハゼを下から順番に留めていきます。しゃがんだ状態が留めやすいです。2本ある掛け糸は、基本的には外側を使いますが、留めにくい場合は内側を使っても良いです。
5枚コハゼでふくらはぎに窮屈感がある場合は、上のひとつかふたつだけでも内側の掛け糸に留めておくと、足首の可動域が広がって少し楽になりますよ。
おすすめの足袋
普段履きにおすすめのストレッチ足袋
日常履きには、ナイロン素材のストレッチ足袋がおすすめです。
動きやすく汚れが落ちやすく、かつ伸縮性があるので、履きやすく動きやすい。と、メリットが豊富です。洗濯機で洗ってそのまま干しておいてもシワにならないので、アイロンいらずなところもポイントです。
私は、普段用にはこちらの福助のストレッチ足袋(5枚こはぜ)を愛用しています。
<ご参考>
23.0cm〜23.5cmの靴を履いていて、足の甲は薄め・足幅は狭め・足首は細めで、こちらの足袋のMサイズでちょうどよいです。(洗濯すると若干縮むことも考慮してください。)
綿素材でもかわいいレース柄
やはり綿素材が良い!という方には、ゑびす足袋本舗さんのレース足袋もおすすめです。
私は、こもれびの淡いグリーンと、ていかずらの白を愛用しています。(本文topの画像)
お誂えの足袋
冠婚葬祭やお茶席や新年会など、あらたまった場に出かける際や、「せっかくなのでこだわりたい!」という方には、お誂えの足袋もあります。上記のゑびす足袋本舗さんでもセミオーダーができます。
大阪の会社ですが、定期的に各所で「足袋のお見立て会」という催事を開催されています。足のサイズをきっちり計測してもらった上でオーダーできるので、興味がある方は、ぜひwebページやSNSをチェックしてみてください。
1度計測してもらえば、次からはネットショップでのリピート注文も可能です。
下の画像が、通常の足袋とサイズオーダー足袋の違いです。あきらかにフィット感と見栄えが違います。(関西では、「シュッとしている!」と表現するのですが、伝わりますでしょうか。。)
カジュアルな装いには、以下のような柄足袋やソックスタイプのものなども豊富にありますので、お好みのものを色々と探してみてください。
足袋のお手入れ
基本的には、洗濯機で丸洗いできます。ナイロンやポリエステルなど、化繊の足袋はシワにもなりにくいので、そのまま形を整えて干すだけです。
綿素材の足袋は、シワになりやすいため、気になるようでしたらアイロンをご使用ください。(私は、そのまま履いていますが…。)
また、綿素材の足袋は、特に足底部分など汚れが繊維に入り込んで、洗濯機洗いだけでは落ちにくい場合があります。
そんなときは、ウタマロ石鹸とゑびす足袋さんの足袋ブラシが便利です。
使わなくなった歯ブラシなどで代用されても良いと思います。
汚れの部分にウタマロ石鹸をつけて、ブラシで軽くこするようにするとキレイに汚れが落ちます。私は、その後ネットに入れて洗濯機で洗っています。
手洗い推奨の素材もありますので、購入された商品の洗濯表示を参考にしてください。
お出かけ時に気をつけたいこと
お茶席やお宅に訪問する際など、草履を脱いでお邪魔をする場合は、替えの足袋を持ち歩いておくことをおすすめします。
訪問途中の思わぬところで、泥跳ねや砂埃など、足袋が汚れてしまう可能性があります。
汚れたままの足袋でお邪魔するのはエチケット違反になりますので、換えの足袋があれば安心です。
ストッキングが伝線してしまった際は、近くのコンビニに駆け込めばなんとかなりますが、足袋売り場をすぐに見つけるのは困難です。
持ち歩き用に足袋ケースなども売られています。
また、足袋の上に履く、足袋カバーというものもあります。撥水加工されたものもあるので、雨の日のお出かけ時には便利です。
「替え足袋を持ち歩くのは荷物が増えてイヤだ。」というような場合も、足袋カバーであれば、足袋の上にそのまま履いて出かけて、訪問先へお邪魔する直前にカバーだけそっと脱いでしまえばOKです。
着物でお出掛け時は、靴ではなく草履を履くので、むき出しになる足袋は案外目に留まります。汚れがないのはもちろんのこと、ご自身のセンスでぜひ足元のおしゃれも楽しんでみてくださいね。
お出かけ時の参考に、こちらの記事もどうぞ。
≫ 着物でお出かけ時にあると良いものリスト
「着物を着てみたい。」「自信の持てる着姿を目指したい。」という方は、
≫ Menu / 着付けレッスン・着付けご依頼をご覧ください。
はじめての方は、こちらもどうぞ。
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