長襦袢(ながじゅばん)とは:素材による違い、季節やシーンでの使い分けなど

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「着物ってたくさん重ね着するんでしょ?」
そう聞かれることがありますが、肌着の役割である肌襦袢と、長襦袢の2枚。
その上に、着物をまといます。

その「長襦袢(ながじゅばん)」は、着物の下に着ることで汚れや汗から守ってくれるだけでなく、見た目を美しく整えてくれる大切な存在。今回は、そんな長襦袢についてご紹介します。

東レ シルック長襦袢(岡重)

長襦袢の役割

長襦袢には、大きく次のような役割があります。

  • 汗や皮脂から着物を守る
  • 衿や袖口からのぞく部分で「美しさ」を演出する
  • 着物を滑りやすくして、着やすくする
  • 体型を整えて、着崩れを防ぐ

特に「衿元」や「袖口」は、着物姿の印象を左右する大事なポイント。
その美しさを支えてくれているのが、まさに長襦袢なんです。

素材と種類

長襦袢にはいくつか種類があり、季節や用途に応じて選びます。

種類特徴使用時期
正絹(しょうけん)滑りが良く、着心地が抜群。上質感がありフォーマル向き。通年
ポリエステル洗濯がしやすく、手入れが簡単。初心者にも◎通年
東レ シルックポリエステルの中でも高品質。絹の風合いに近く、光沢や手触りも自然。通年
爽竹(そうたけ)竹繊維とポリエステルの混紡。吸湿性・通気性が高く、肌ざわりも◎春夏向き
絽(ろ)・麻通気性に優れ、汗ばむ時期でも涼しい夏(6月~9月)

特に普段着用や初心者さんには、洗えるポリエステル製が人気。

中でも「東レ シルック」は、ポリエステルながら絹に近い自然な風合いで、シワになりにくく扱いやすいため、多くの着物愛好家に選ばれています。

一方、「爽竹」は春〜初秋に活躍する涼感素材で、肌あたりの良さと通気性が魅力です。涼しさ重視であれば、「麻」素材もおすすめです。

素材紹介:爽竹(そうたけ)と東レ シルック

長襦袢には、昔ながらの絹や麻に加えて、現代ならではの機能素材も人気です。
その代表が 「爽竹」「東レ シルック」。どちらも「扱いやすさ」と「快適さ」を兼ね備えた素材です。

爽竹(そうたけ)

竹の繊維を使った再生セルロース系の素材で、ポリエステルと混紡されています。

  • 吸湿性・通気性が高く、汗ばむ季節でも快適
  • さらりとした肌ざわりで、春夏におすすめ
  • 洗濯機で洗えてお手入れ簡単

和装肌着や長襦袢のほか、ステテコや足袋にも使われている人気素材です。

東レ シルック

東レが開発した高品質ポリエステル素材。絹のような光沢と風合いを持ちながら、洗える手軽さが魅力です。

  • シワになりにくく、長時間の着用や旅行にも安心
  • 色柄が豊富で、フォーマルから普段着まで幅広く対応
  • 絹の上品さとポリエステルの扱いやすさを両立

「東レ シルック」は、まさに“絹とポリエステルのいいとこ取り”といえる素材です。

半衿とセットでコーディネート

長襦袢の「衿」部分には、半衿(はんえり)を縫い付けます。
この半衿が、着物の衿元からチラリとのぞく部分。

白い半衿が一般的ですが、カジュアルな着物や遊び着には、刺繍入りや色付きの半衿を合わせて、コーディネートのアクセントにするのも楽しいですね。

ワンポイントアドバイス

「うそつき襦袢」って知ってる?

「着物は着たいけど、長襦袢ってなんだか面倒そう…」という方におすすめなのが「うそつき襦袢」や「うそつき長襦袢」と呼ばれるアイテム。

これは、身頃が肌着素材で、袖や衿だけが長襦袢のようになっているもの。
着やすく、お手入れもラクなので、初心者さんにもぴったりです。暑い時期や浴衣を着物風に着たいときなどには、肌襦袢に衿が付いた「衿付き半襦袢」もおすすめです。


長襦袢は、表には見えないけれど、着姿の美しさや快適さを左右する、まさに“縁の下の力持ち”。
素材や種類、半衿との組み合わせで、季節感や個性を演出できるので、ぜひお気に入りの一枚を見つけてみてくださいね。

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この記事を書いた人

ゆうきもの 徳山友紀

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